バーボンにとばっちり 米欧「関税合戦」が米国内で波紋

6/25(月) 14:39配信
朝日新聞デジタル

 欧州連合(EU)は22日、トランプ米政権による鉄鋼・アルミ製品への高関税に対抗し、米国製品への報復関税を発動した。対象には米与党共和党の有力議員の地元の生産品が多く含まれ、米国内では影響を懸念する声が強まっている。

 EUが報復関税を課すのは約28億ユーロ(約3600億円)相当の米国からの輸入品で、鉄鋼・アルミ製品に加え、ハーレーダビッドソンのバイクやリーバイスジーンズ、バーボンなど米国を象徴する産品も入る。これらの産品は鉄鋼・アルミの「関税合戦」のとばっちりを受けた形だ。

 「米欧に関税の応酬を避けるよう働きかけ続けるが、不測の事態への対応策も練る」。バーボンウイスキー産地の米ケンタッキー州で「ジムビーム」などをつくる米蒸留酒大手ビームサントリーは、EUの報復関税対象になったことに危機感を隠さない。

 バーボンはカナダや中国からの報復関税の対象にも取りざたされる。ケンタッキー州共和党上院トップ、マコネル院内総務の地元で、報復先として狙われやすいとされる。バーボンなど米国産ウイスキーの輸出額はこの20年で4倍近くも増えた。しかし輸出される米国産ウイスキーの65%が高関税にさらされる可能性があり、需要増に冷や水を浴びせかねない。

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